かわいい息子はADHD。ずば抜けた問題児家族のすすめ

長男7歳。長女2歳。5歳差の息子と娘のママです。片田舎でWebデザイナーとして仕事をしながら育児奮闘中!7歳の息子は小学1年生になりADHD(注意欠如・多動症)と判明し、発達障害について無知だった私が試行錯誤しながら過ごす日々を記録していこうと思います。障害があってもなくても家族で楽しく暮らす事を第一に行った取り組みもご紹介します。

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【感覚統合の訓練】日常生活の動きや遊びで自宅でできる家庭療育

感覚には五感(視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚)がありますが、

私たちが無意識に感じている五感以外の感覚には…

 

 

■前庭覚バランス感覚や空間内を移動する時に変化を感じて脳に情報を送る感覚
例)「身体の傾き」「回転」など

 

■固有覚手足にある関節や筋肉から動きのたびに脳に情報を送る感覚
例)「トランポリンを跳ぶ」「砂だんごを作る」「壁を押す」など

 

この2つも存在しています。

発達障害を抱える子供はこれらの感覚に敏感過ぎたり、逆に鈍感過ぎたりする故に、日常生活において困難さを感じることが多いそうです。

 

例えば、

前庭覚の感覚が入りにくいタイプの場合は、長時間回転していても目が回らなかったり、身体がふにゃふにゃして椅子からずり落ちてしまったりする場合があります。
逆に、ブランコなどの揺れる遊具を怖がったり、身体の姿勢の変化に恐怖感を覚えるような子供は、この前庭覚が入り易すぎるタイプです。

固有覚の感覚が入りにくい子は、主に力加減が分からないタイプが多いです。
おもちゃの扱いが雑だったり、人に対しても動きが乱暴な傾向があります。
逆に、ぶら下がる遊びを好んだり、人からぎゅっと強く抱きしめられたりするのを好む子の場合は、固有覚を求めている傾向にあると言われています。

 

息子の場合は、前庭覚が入り易すぎるようで、幼児期にブランコの揺れが苦手で目を閉じて乗っており小学生になった今も自分でブランコをこいで乗るのが苦手です。
固有覚については、正に「力の加減が分からない」ので遊んでいるときに強く友達を叩いてしまったり(本人はタッチしているつもり)、抱きしめられるのが大好きです。 

 

発達障害の特徴としてよくあげられること

  • 人ごみやモールなどで落ち着かなくなる(視覚優位)

  • ざわざわした環境で耳をふさぐ(聴覚過敏)

  • 食べ物の好き嫌いが多く、少しの苦手食材でも気づいてしまう(味覚過敏)

 

なども、この感覚統合の問題だといわれています。

 

これら全てにおいて言えることは、感覚の受け取り方や調整能力・処理過程に問題があるということです。

 

一見、どれも個人の性格や躾の問題として指摘されてしまいそうな事柄ばかりですが、そうではなく、脳の神経回路の伝達の問題なのです。
それゆえ、このような特徴が子供に見られた時は、早期に感覚統合の訓練をすることで、症状の軽減が望めると同時に、子供の将来的な2次被害(劣等感による引きこもりなど)を防ぐ事ができます。

 


息子の日常生活で感じる感覚の困難さは、感覚統合を鍛えることによって改善されることが分かったので、結果はどうあれ、早速!日常で取り入れやすい方法を実践することにしました。
 

 

効果的な脳に感覚が入りやすい動作例

■単純で分かりやすい動きをさせる(ブランコをこぐ・トランポリンを跳ぶ・滑り台を滑り上がるなど)

■高さを感じる遊びをする(ジャングルジムにのぼる・高いところからジャンプするなど)

■スピードに強弱のある揺れや回転を取り入れる(ブランコなど、激しく揺らしている時に突然止めてみるなど)

■身体にぐっと力が入るような動き(押す・引く・飛び降りる・もぐらたたきなど)


スピード感がある動きは脳に入りやすいそうなので、動きのできる遊具(ブランコとかシーソー)などで遊ぶのも効果が期待できそうです。

 

日常で取り入れられる感覚統合のトレーニン

【普段の日常生活で何気なく取り組める訓練】

立ったまま歯磨き


歯磨きというのは、道具を手に持って動かしながら、歯ブラシの刺激が歯に伝わるという、さまざまな感覚を刺激する動作です。
歯磨きを立って行わせることで、足からの刺激も同時に受けることができ、これだけでも感覚統合の訓練になるようです。

大人からしてみたら当たり前の「立って歯を磨く」ことは、実は意外といろんな感覚を総動員して行っていると知り驚きました!
息子は歯磨きはいつも座ってしていたので、今は「立って歯を磨く」ように促しています。

 

 

歯磨き

 

片手でお箸、もう片手でお茶碗を持って食べる

子供の頃、食事中に「お茶碗を持って食べなさい!」と親に怒られたという思い出がある方も多いのでは?
お行儀が悪いからという理由で、これも当たり前に行っている行為ですが、
この、片手でお箸を持ち、もう片手でお茶碗を持って食事をするという行為は、実は意外と難しい事のようです。
左右の手で別々の事をするというのは、手からの刺激がしっかり脳に届かないとスムーズにはできない為
日常の訓練で取り入れ、親が意識して声掛けをしたいと思っています。

 

お茶碗と箸

 

【遊びながら取り組める訓練】

トランポリン

上下運動で脳内のドーパミンセロトニンを分泌させるトランポリンは、脳内のドーパミンセロトニンを分泌させる効果があるんだそう。
セロトニンドーパミンをコントロールするような重要な役割を持っているようです。

このセロトニンを活性化させるのに「リズム運動」というものが効果的だそうで、これは発達障害児への教育としても取り入れられている「音楽運動療法」というものにあたります。
これは交通事故などで意識障害を起こした患者さんへの回復療法としても取り組まれており、「運動・言語・精神を司る脳機能の活性化」が期待できるものとして注目されています。

ポイントは「音楽に動きを合わせるのではなく、運動の動きに音楽を合わせる」

この音楽運動療法は、音楽で聴覚への刺激を与えるのと同時に、上下運動で脳幹という脳内の重要な器官の神経にも同時に働きかけることができるため、とても効果的なんだそうです。
また、筋力アップ・ストレス解消に効果があるそうです。

 

 

息子と娘はトランポリンが大好き!
汗だくになって毎日飛んでいます。

過去のトランポリンの記事はこちら

 

 

micocolo.hatenablog.com

 

 

手押し車

二人組で行うのですが、一人がもう一人の脚を持ち、脚を持たれた方は手だけで歩いて移動する遊びのことです。
手は進む動きで、脚は誰かに持たれているというさまざまな感覚が入ることで感覚統合の良い訓練になるのですが、そもそも腕の筋力とか腹筋とかの基礎体力が結構必要です。
筋持久力もつくということなので、簡単な動きなのに一石二鳥な遊びです。
2歳の娘は初めは出来なかったのですが、何回か練習すると出来るようになりました。 

 

 ボールを脚に挟んでジャンプ

これも意外と難しい遊びではないかと思うのですが、効果は抜群だそうです。
脚の膝辺りにボールを挟んでそのままその場ジャンプをするだけなのですが、ボールを落とさないようにするのは大人でも結構至難の業…。

身体にぐぅっと力を入れる動きは固有覚に作用しますし、ボールを挟むという動作とジャンプをするという動作を同時にするというのは複雑な神経伝達になるので、とても良い訓練になるようです。 

 

ボール

 

 

洗濯ばさみ遊び

洗濯バサミの特徴である「指で掴む」「挟む」といった一連の流れは、指先を使う訓練にもってこいです。また、親指・中指・人差し指の3本指を器用に使えるようになり、指先に力を入れることができるようになります。
洗濯バサミで「はさむ・つまむ」動作を通して、指の力を使う練習で、「指先の動き、力の入れ方を身に着ける」「集中力を高める」ことに繋がるようです。

洗濯バサミを繋げたり、厚紙のモチーフに洗濯バサミを挟んだりする「洗濯ばさみアート」は大人も楽しめます。

 

洗濯ばさみ

 

ペットボトルスプリンクラー

柔らかいペットボトルにキリで穴をあけて水遊びをしたり。
空のボトルに水を入れて絵具を垂らしてシェイクして色の変化を楽しみ色の変化を楽しみ脳へ刺激を行う遊びです。

発達障害がある子は視覚からの刺激に敏感である事が多く、様々な光のきらきらした様子や光の動きを感じやすい水に強い興味を示す傾向があるそうで、
息子も水への執着があり水遊びが小さい頃から大好きです。
ペットボトルスプリンクラーは、冬であればお風呂に入るときにで遊んだり、夏場は外での水遊びで使ったりできます。

 

ペットボトル

 

フィンガーペイント

『できた絵を重要視するのではなく自由に感触を楽しんだり、指で絵の具をなすりつける行為そのものを楽しむ造形遊びのひとつ。子どもの心が開放される』(引用元:福祉教科書 保育士完全合格テキスト 下 2017年版 2016年 翔泳社発行)というものです。
紙を2つ折りにして絵の具をのせるデカルコマニー(合わせ絵)、水に専用の絵の具をたらしてかきまぜて模様をつくり、それを紙にうつしとるマーブリング(流し絵)なども楽しいのですが、
フィンガーペインティングは直接自分の指を使うという特徴があるため、より子どもの感性を刺激することができます。

絵の具に直接触れ、ダイナミックな活動ができるフィンガーペインティングだからこそ、絵の具の感触を知った上で、心を開放して自分なりの表現をすること、そしてその活動を存分に楽しむことが出来ます。
フィンガーペインティングでは、他の絵の具を使った活動とは違って「触覚」を存分に刺激することができるので雨の日に外遊びが出来ないときに楽しんでいます。

フィンガーペインティング

 

 

感覚統合には楽しく遊ぶ事が大切

感覚統合の訓練は、本人が「楽しい!」と思えるような動きをさせるのが大切なようです。

そして、同時に異なる動きをするということが、脳への刺激として重要な点だそうです。
いくら効果があるものだといっても、本人に全くやる気がないようではやらせる意味はありません。

最初はできなかったことでも、本人がやりたがれば親も一緒に取り組んであげて、できた時の達成感を積み重ねるのも大切だそうです。
そういう喜びの積み重ねは、子供自身の次へのチャレンジ精神として培われていきます。
この点が感覚統合機能を促進していく最も有効な点なのだそうです。


子供にとって遊びは最大の学びの場と言いますが、感覚統合の観点からみてもこれは真実だなと感じています。

シャボン玉