9歳になった男の子の関わり方「子どもの能力は9歳までで決まる」科学的根拠は?
子育てや教育に関する情報を探していると、「9歳までに◯◯すべき」という説をよく目にしますが、様々な著者によると、10歳まで親子の関わり方によってぐんと伸びる可能性を秘めているらしいのです。
息子は7月で9歳になったので、0歳児から意識してきた「9歳まで論」
気持ち的に「とうとう息子は最後の歳がきてしまった」と思ってしまいました。笑
勿論10歳以降でも成長はしていくと思いますが、
せっかくなので「9歳までに◯◯すべき」の科学的根拠を調べてみました。
「9歳までに〇〇すべき」の科学的根拠
そもそも「○歳まで」という年齢に根拠はあるのでしょうか?
小学校高学年に差しかかる10歳の子どもは、大人に比べるとまだまだ幼稚な面が多いものの、子どもっぽさが抜けつつある過渡期です。
脳科学の面から、10歳までの子どもの脳の成長には段階があり、その年齢に適した脳の発達を促すことが大切と言われています。
10歳までの子どもの脳の段階
年齢 | 段階 | 発達 |
3~7歳くらい | 体を動かすことを重視し、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で脳に情報を取り入れることを意識するとよい | 右脳の成長を促す。「感性脳」と呼ばれる右脳の発達は、相手の気持ちを汲み取るなど、上手なコミュニケーションにつながる |
7歳以降 | 小学校に入り教科書を使って勉強するようになり、言葉の情報を理解する能力が鍛えられる | 「論理脳」と呼ばれる左脳が成長し、自分自身を理解するのに役立つ |
10歳以降 | 体験を言葉にしたり、文字情報を読んで深い理解につなげたりする能力が伸びる | 10歳までに言葉以外の体験を十分にしているいないでは大きな成長の違いが出る |
【幼児期~学童期の変化】
幼児期
万能感に満たされている時期。たとえば運動会の徒競走でビリになったとしても泣き叫んだりはしません。
学童期
7歳
小学1年生となると、集団に入り、社会的比較が出てきます。 “縄跳びが一番上手だと思っていたけど、そうでもなかった”というように、いろんな人が存在することを認識し始める。 いっぽうで小学1年生の感情理解度は、“涙を流している=悲しい”という段階。表情は笑っているけれど、心の中では泣いている子を見ても、まだ理解が難しいのです。
9歳
対人関係が広がり、自分と大好きな人のことだけを考えていたけれど、クラス全体が見えてきます。そうはいっても、いろんな人の気持ちを理解するのはまだ難しいです。 ですが、好きな子や身近な子の心は読むようになっています。漫画で例えると、心の中の吹き出しがわかってくるような状態でしょうか。 個人差はあるでしょうが、およそ一年くらいは見通す力も出来るようになる。
10歳・11歳
本音と建前がずれるというのがわかってくる。 12歳 中学生になると“この時代の紫式部の気持ちとは… ”とか“ニュージーランドの小学生の気持ちは…”といった、時代をワープしたり、 行ったことのない場所の人たちのことまで情報があれば考えられるようになります。
また、時間的な展望能力も、幼児の頃は“今日はハンバーグを食べる、明日はディズニーランドへ行く”ということはわかるけれど、来週のことまではわかりません。 それが小学生になると、1週間のタイムスケジュールが見えてきます。思考の中に現在だけでなく、過去と未来が出来上がるようになります
9歳までに五感を通したさまざまな体験をさせてあげることで、10歳以降の生活が変わると言うことのようです。
長い人生を送る中で、精神的健康を養う基礎づくりをすることで、心の発達や学習面の発達にも影響を与えるのは感覚的にも理解出来ました。
このように、長い人生のなかでたった9年でも、その時期の経験や生活の基礎が人生の土台となることを考えると、10歳までにすべきことを親として知っておく必要があると思いました。
では。具体的に10歳までに何をしたらいいの?
様々な著者でも書かれている4項目です。
10歳までにしたほうがいい4つのこと
(StudyHacker こどもまなび☆ラボ 編集部 より引用)
- 生活習慣を整える
- 考える経験をさせる
- 言語能力を伸ばす
- 思いきり遊ばせる
「生活習慣を整える」
12年間、5万人以上の「勉強ができる子」の学習パターンを調査してきた朝日大学マーケティング研究所所長の中畑千弘氏は、「勉強ができる、できない子の差は10歳までの生活習慣にある」と断言します。
中畑氏によると、いわゆる「勉強ができる子」は、「10歳までに机に向かって5分でも10分でも何かをするという習慣」が身についていることが多いそう。また、勉強に限らず、同じ時間に起きる、同じ時間に食事をとる、同じ時間に寝る、など規則正しい生活習慣が身についていることも重要です。
文部科学省による「全国学力・学習状況調査」(平成28年)では、朝食を毎日食べている子どものほうが、学力調査の平均正答率や体力合計点が高い傾向にあるという結果が出ました。
朝起きて食欲が出ないなら、具だくさんのスープやフルーツなどを少量でも食べる習慣をつけましょう。また、教育ジャーナリストの清水克彦氏は「正しい生活習慣に加えて、お手伝いや整理整頓の習慣も身につけるべき」と述べています。
なぜなら、お手伝いや整理整頓が習慣づいている子どもほど、頭のなかの考えを整理しやすく、上手に感情のコントロールができたり、自分から率先して行動できたりと、学力では測れない能力が身につくからです。
10歳までによい習慣を身につけさせたいですね。
「考える経験をさせる」
「思春期になんらかの問題を起こすかどうかは10歳頃までの親子関係で決まる」と話すのは、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田泰孝氏です。
10歳までの学童期は、子どもが精神的に安定していてまだ頭がやわらかい時期。それゆえ外界から多くのことを取り込みやすく、「基本的な性格が出来上がる時期」でもあるのです。基本的な性格が出来上がるというのは、対人関係のスキルや物事のとらえ方、主体性といった「基本的なライフスタイル」が出来上がることでもあります。
この時期に自分で考える経験をせず、すべて親に決めてもらっていたら、思春期にぶつかる壁を乗り越えるのは困難になるでしょう。わが子が心配なあまり、つい過干渉になってしまう人も多いかもしれませんが、その弊害についてはよく知られるところ。
そうならないように、「子どもをひとりの人間として尊重することが大切」と話すのは公認心理師の佐藤めぐみ氏です。親が意識すべきは「質問をする」「相談をする」「意見を聞く」の3つ。
子どもの決断や判断の機会を奪わないよう、まずは子どもに「どうしたい?」「○○くんはどう思った?」と聞いてみてください。子ども自身が考え、自分の気持ちを正直に言えるようになるといいですね。
「言語能力を伸ばす」
開成中学校・高等学校校長を経て現在は北鎌倉女子学園学園長を務める柳沢幸雄氏は、「人間としての基本形が出来上がる10歳までに、幅広い経験をさせる必要がある」と話します。
ただしそれは、習い事をたくさんさせるという意味ではありません。この時期に培いたいのは、学力や特定のスポーツの能力ではなく、「総合的な生活力」いわゆる「生きる力」です。なかでも「言語能力」を伸ばしてあげることを意識するといいそう。というのも、人から何かを教わるときにも、自分で物事を考えるときにも、人間は言語を使うから。つまり、「言語能力こそが学びの基礎」なのです。
子どもの言語能力を伸ばすには、「子どもの話をきちんと聞くこと」が基本です。成長過程にある子どもはボキャブラリーが少なく、話を組み立てることがまだ苦手。
柳沢氏は、「話すのに時間がかかっても、親は辛抱強く待って、子どもに考える時間を与えてほしい」と述べています。「子どもがしゃべる時間が2、親がしゃべる時間を1」と意識しましょう。
「思いきり遊ばせる」
「10歳くらいまでに思いきり遊べていない人間は、将来的に伸びない」と断言するのは、教育改革実践家の藤原和博氏。これからの時代に求められるのは、正確な答えをすばやく導き出す能力ではなく、
「正解がない問題に対して多くの仮説を立てられる力」だと藤原氏は説きます。その力は、遊びのなかで育まれるのだそう。遊びには決まった正解がなく、想定外のことも起こります。
だからこそ、その場の状況をふまえ仮説を立てて乗り越えたり、みんなが楽しめるよう臨機応変にルールを変更したりする柔軟性が求められるのです。実践教育ジャーナリストの矢萩邦彦氏も同様に、「小学2年生まではできるだけ外遊びをして、ものを観察したりつくったりする時間を確保する必要がある」と述べています。
習い事に追われて遊ぶ時間がない子どもも多く見られますが、できるだけしっかりと外遊びをさせることが、その先の学びの基礎づくりになるのです。どこか特別な場所や整備された遊び場へ連れて行かなくても、近所の公園でいつもとは違う遊びを取り入れたり、散歩コースを変えてみたりと、日常のなかで工夫して変化を楽しむことはできますよ。
取り上げられている4つの提案は、幼児教育の根本だと私は思います。
我が家の場合、ADHDと診断された息子にとって「生活習慣を整える」ことは大前提だし、人の気持ちをよみ取るのが苦手なので対人トラブルになる事が多く「考える経験をさせる」「言語能力を伸ばす」のは生活の中で大事にしている事です。
最後の「思いきり遊ばせる」は当たり前のような気がしますが…現代社会の子育てでは難しいのかな?
私の経験談にはなりますが、第一子(息子)が誕生したときに都心部へアクセスしやすいところに居住していたのですが
いざ子育てがはじまると、とにかく子どもを遊ばせる場所が少ないことに驚き困りました。
大人が住むのには生活しやすく感じていた場所が、子育てがメインになり生活スタイルが変わったことで住みにくい場所になっていきました。
私は田舎で育ったこともあり、子ども時代は道路で近所の友達とおにごっこができるくらい、のどかな環境で育ちました。そんな生い立ちもあり、駅前は立地は良いのですが公園が少ないし、なにより交通量が多く道で遊ぶなんてありえないのも衝撃でした。
歩き出した我が子にヒヤヒヤして「のびのび…」と言える環境ではない居住に住み続けるのが日に日に辛くなったのは1歳の頃から息子は多動が強く目を離せず、元気で体力があったからかもしれませんが…
息子は花壇を掘りおこしてしまったり(ダンゴムシが沢山いるのが気になって)、
あらゆる虫や自然への探究心があり、公園内だけでは満足できない様子で
思いっきり遊ばせたほうが息子の良いところを伸ばしていけるのでは?と自然に考えるようになりました。
勿論ほかにも理由はありますが、息子が2歳の頃に田舎に引っ越しをしました。
私の場合は、息子の特性を考えて引っ越しまでしてしまいましたが、限られた環境の中で工夫して外で遊ばせるのは親の関わりが大切です。
一番大事なのは親が見守り、方安全に子どもが自由に遊べると良いのかなと思っています。
「ママ~みてみて!」
って子どもがつねに言うのは共感してもらいたいから。
危険なことでなければ、自発的に発見した遊びを思いっきりし共感してもらうことで存在価値に繋がると考えています。
さらに“できた”を積み重ねることが、自己肯定感を高めることになるはず!
息子は自制は出来ないですが。笑
成長過程で自尊心を持つためには、自己肯定感がないいけないことは分かりました。
大人になっていく道に“葛藤”がある
9歳になると、葛藤が生まれ、自尊心(自己についての全体的な評価)が揺らぐ時期になるそうです。
息子も3年生になると
「○○ちゃんはテストで今日も100点だったんだ!」
「○○君は走るのがクラスで一番なんだよ」
「僕は何でも中ぐらいなんだよな…」
「ときどき不安でいっぱいになる時があるんだよ」
と言うようになりました。
葛藤を抱えることは賢くなることであり、健康な証です。
周りなんて気にしなかった息子が周りを観察(比較)できるようになったことは大きな成長で嬉しかったです。
“悩むあるいは悩めるのはいいこと”です。
友達のすごいところ、良いところを見つけられるのは、自分のためにも人のためにも良いことだから口に出してどんどん言っていいと思う!
ママは息子くんのいいところ、すごいところ、いっぱい知ってるし大好きだよ!
不安(葛藤)がある時は、先生、友達、ママ、パパ、じいじ、ばあば。話したい人に話してみたらどう?
もし皆が聞いてくれないときがあったら、ママには何でも話していいんだよ~
と伝えています。
歳を重ねていくたびに様々な心の変化があり、“面白い”と思って関わっています。
大変なことや親自身の悩みは尽きませんが、「9歳までに絶対に身につけさせなきゃ!」と焦らずに子どものペースに合わせて、
無理なく能力を伸ばせるようにサポートしていきたいと思います。